傷害 昭和50年4月3日
事件番号
昭和48(あ)722
事件名
傷害
裁判年月日
昭和50年4月3日
法廷名
最高裁判所第一小法廷
裁判種別
判決
結果
その他
判例集等巻・号・頁
刑集 第29巻4号132頁
原審裁判所名
仙台高等裁判所
原審事件番号
原審裁判年月日
昭和48年3月6日
判示事項
一、現行犯逮捕のため犯人を追跡した者の依頼により追跡を継続した行為を適法な現行犯逮捕の行為と認めた事例 二、現行犯逮捕のための実力行使と刑法三五条 三、現行犯逮捕のための実力行使に刑法三五条が適用された事例
裁判要旨
一 あわびの密漁犯人を現行犯逮捕するため約三〇分間密漁船を追跡した者の依頼により約三時間にわたり同船の追跡を継続した行為(判文参照)は、適法な現行犯逮捕の行為と認めることができる。 二 現行犯逮捕をしようとする場合において、現行犯人から抵抗を受けたときは、逮捕をしようとする者は、警察官であると私人であるとを問わず、その際の状況からみて社会通念上逮捕のために必要かつ相当であると認められる限度内の実力を行使することが許され、たとえその実力の行使が刑罰法令に触れることがあるとしても、刑法三五条により罰せられない。 三 あわびの密漁犯人を現行犯逮捕するため密漁船を追跡中、同船が停船の呼びかけに応じないばかりでなく、三回にわたり追跡する船に突込んで衝突させたり、ロープを流してスクリューにからませようとしたため、抵抗を排除する目的で、密漁船の操舵者の手足を竹竿で叩き突くなどし、全治約一週間を要する右足背部刺創の傷害を負わせた行為(判文参照)は、社会通念上逮捕をするために必要かつ相当な限度内にとどまるものであり、刑法三五条により罰せられない。
参照法条
刑法35条,刑訴法212条,刑訴法213条